50MHz デルタループ 東京都国立市移動運用

2006年8月31日  de 7N4XTA

 

 

夏休み最後の日、field_ant より購入した50MHzデルタループアンテナ(DL)のテストを兼ねて、国立市の多摩川河川敷に行ってきました。
設置のしやすさ、飛び具合、その他もろもろ・・・私にとっては初めてのDLなので、わからないことだらけ。
以下、使用感を含めたレポートをまずはご覧下さいませ。

 

 

組み立て前の大きさを比較するために、自作の430MHz6エレ八木を並べてみました。
その長さは、わずか80cm。
重さも900グラム程度ですから、持ち運びには何の支障もありません。
私の場合は各エレメントを輪ゴムで留めてありますが、市販のベルクロ(マジックテープ)を使えばさらに取り扱いも楽になるでしょう。

 

 

移動先までは、こんな感じで後部座席に転がしておきました。
ちなみに山岳での移動運用なら、釣竿のケースに入れても良いですね。
また、身近に親切なYLさん(またはXYL様)がいらっしゃるなら、拝み倒してキルティングの巾着を作ってもらいましょう。
ヒモを長めにあつらえて、底の部分にハトメなどで取り付けておけば、肩に背負って歩くことも可能です。

 

 

さて、いよいよ組み立て開始です。
しかしその前に、上の画像をご覧下さい。
私は小型のハッチバック車に乗っているため、基台はかなり小さなものをバックドア上部に取り付けて使っています。
横に置いたジッポーの大きさと比較すれば、わかって頂けるでしょうか。
50MHzのDL・・・展開すれば、もちろんそれなりの負担がかかってしまいます。
こんな小さな基台が果たしてそれに耐えられるのか、ここからが正念場ですね。

 

 

私は普段、430MHzの移動運用ではSQ(スイスクワッド)のスタックを使っています。
しかしそのアンテナはやや重量があるため、基台の転倒防止に厚めのゴムシートを敷いて万一に備えてました。
ということで、今回も同様の安全策をとってみます。
基台を支える小さなステンレスのネジ。
こんなものはいくら増し締めしても、風が吹けば一巻の終わりです。
転ばぬ先の杖ならぬ、ゴムシート・・・あとは無事を祈るばかりかな(苦笑)

 

 

このDLは、基台に直付け可能なのが最大の特徴です。
しかしできることなら、ビームの切れも試してみたい。
そのためにはコネクター同士が中途半端な取り付け位置でもアンテナがクルクルと回ってしまうことがないよう、何か対策を施さなければなりません。
あぁ、何か準備しておけばよかったなぁ・・・。
仕方がないとばかりに、エレメントを束ねてあった輪ゴムをコネクターに巻いてみました。
結論から言えば、アンテナを取り付けたときに多少の安定感はあるものの、強く締めるとたちまち輪ゴムが切れてしまいます。
屁の突っ張りにもならないとは、恐らくこのことでしょう。
う〜〜〜ん、これは次回以降の課題ですね。

 

 

さぁ、いよいよ運用開始です。
しばらくCQを出し続けると、都内の局から応答がありました。
平日の昼間なので、呼ばれなかったらどうしよう・・・。
そんな心配もありましたが、まずはめでたく交信成立です。
その後はクラスターにも載せて頂き、快調な滑り出し。
しかしそんな最中、悲劇は突然訪れたのでした。
バタン!
QSOの途中で、なんとアンテナが基台ごと仰向けに倒れてしまったのです。
大切に使っていこうと思っていたDLが、なんということに・・・。
私は、急いで車の外に飛び出しました。
ところが、どうでしょう。
倒れた位置が草の上だったせいもあるのだと思いますが、アンテナは傷ひとつなく、ビクともしていません。
目視ではエレメントの曲がりもなく、何のダメージも受けていないようです。
念のため、SWR計も見てみましたが、異常は欠片もなし。
あらためて、その構造の丈夫さに驚かされてしまいました。

その後は基台の下に敷いたゴムシートを一枚外し、多少内側にオフセットしながら運用を続けました。
この状態でも、SWRや飛びに変化はありません。
上の画像は、内側に傾けながら運用をしている様子です。
最初からこのようにしておけば、問題なかったのかもしれませんね(苦笑)

 

☆各局からのレポート☆

今回はアンテナのテスト運用ということで、交信して頂いた各局からレポートを頂戴しました。
それによれば、こちらの信号は概ね強力に届いているとのこと。
私が使っているリグのSメーターが重いせいもあるのでしょうが、ほぼ全ての方からこちらと同等、または良いレポートを頂いております。
また、各局ともビームアンテナをお使いとのこと。
これにより、水平偏波との相性はとても良いと感じました。

☆使用感☆

なんといっても手軽で扱いやすく、また、その丈夫さには本当に驚かされました。
設営開始から取り付けまで、わずか数十秒。
これならば、突然の雨による撤収にも手を焼くことはないでしょう。
組み立て方法もすごく簡単で、まさにモービルホイップ感覚。
風による影響さえ考慮すれば、ループアンテナでこれ以上の手軽さはまず望めないと思います。

次に、実際の運用で感じた点。
まずはこのアンテナの長所ですが、やはり飛びが良いというところでしょう。
SWRも測ってみましたが、50.200付近では1.1以下、FMモードの52.00MHz付近でも1.3以下となっておりました。(使用環境により、データは若干異なるかもしれません)
ちなみにビームの切れ具合ですが、これはダイポールと同等か、やや勝っている印象です。
しかしブロードな分だけ扱いやすく、手軽な移動サービスやコンテストなどではその威力を発揮するに違いありません。
また、ノイズレベルは若干高め。(モービルホイップとの比較)
ただし、神経質な方でなければ気にならない程度ですから、ご安心を。

最後に、注意点を少々。
基台へ直付けする場合は、やはりその重さが唯一のネックとなります。
周囲に迷惑をかけることがないよう、十分な転倒防止策をとるなどの工夫が必要ですね。

 

2006年8月31日  東京都国立市移動  50MHzDL テスト運用結果

時刻

コールサイン

His

My

QTH

備考

10:29

JP1***

59

59

東京都杉並区

13mH 8エレ八木

10:34

JA1***

55

55

神奈川県相模原市

13+16mH 5エレ八木 スタック

10:45

JA1***

59

57

神奈川県川崎市宮前区

6エレ八木

10:53

7M1***

41

53

神奈川県横須賀市

QSBあり

10:55

JN1***

59

59

東京都小平市

10mH HB9CV

11:13

JA8***/1

59

59

東京都八王子市

17mH 7エレ八木

11:27

JA1***

59

59

神奈川県相模原市

6エレ八木

Rig : FT−100DM   Pwr : 50W   Beam : W ←→ E

 

各局、ご協力ありがとうございました♪



2006年11月18日 山梨県南都留郡山中湖村移動運用


new 2007年4月30日 埼玉県朝霞市移動運用 new




◎このアンテナについて、詳しくは field_ant のHPをご覧下さい◎